建設業許可に使える資格は?|営業所技術者になれる資格と、その調べ方

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(2026年8月時点の法令情報です。制度は変わることがあるので、実際の判断は許可行政庁や行政書士に確認してください)

建設業許可では、資格がなくても、取りたい業種の実務経験を10年証明できれば、営業所技術者の技術面の条件を満たせます。

ただ、10年分の書類を探し始める前に、まず手元の資格を確認してみてください。

施工管理技士、技能士、建築士、電気工事士など、資格と許可業種の組み合わせが合えば、10年分の実務経験を集めずに済むことがあります。

前の会社に電話して、元請にも頼んで、古い注文書を探したあとで「その資格なら10年分は要りません」と分かることがあります。先に資格を確認しておけば、使わない書類を探す手間を減らせます。

確認する順番は3つです。

  1. 自分の仕事が29業種のどれに当たるか
  2. 手元の資格が、その業種に使えるか
  3. 使えなければ、資格を取るのと10年分の証明を集めるのと、どちらが早いか

資格名が似ていても、使える許可業種まで同じとは限りません。 この記事では、判断する順番と、公式資料の見方を書きます。

先に、手元の資格を確認する。資格が使えるなら資格探しはここまで。使える資格がなければ、左は資格を取る道、右は10年分を証明する道に分かれる

なお、許可の要件そのものは建設業許可、一人親方でも取れる?に書きました。 この記事はその続きです。

この記事でわかること

  • 施工管理技士・技能士で、実務経験の年数が要らなくなる業種
  • 現場で要る講習と、許可で使える資格が別であること
  • 新旧の受検資格と、令和10年度までの経過措置

現場で助かる資格と、許可で使える資格は違います

現場では、資格を持っている人がいると助かります。任せられる作業が増えるからです。

ただし、そこで役に立つ資格と、建設業許可で使える資格は、同じではありません。

玉掛け技能講習、フルハーネスの特別教育、職長・安全衛生責任者教育。 このあたりは、2026年8月時点の、一般建設業の営業所技術者に関する有資格コード一覧には載っていません。

いずれも現場の作業や安全のための講習・教育です。許可で使える資格とは役割が違うので、別に確認してください。

現場で役立つ資格をいくつ持っていても、それだけで営業所技術者の技術面の条件を満たすとは限りません。 まず、有資格コード一覧に載っているかを確認してください。

資格で営業所技術者の技術面の条件を確認するなら、まず有資格コード一覧を見ます。 施工管理技士・技能士・建築士・技術士・電気工事士・消防設備士などが、許可業種ごとに並んでいます。

なお、登録型枠基幹技能者などの登録基幹技能者は、一覧に載っています。 ただし、登録基幹技能者として認められるのは、単一の建設業の種類について10年以上の実務経験がある場合です。10年を飛ばす近道にはなりません。

資格をすでに持っている人は、ここから確認

手元の資格だけで技術面の条件を満たせるなら、10年分の実務経験を集めずに済みます。 まず、自分の資格に追加の実務経験が要るかどうかを確認してください。

施工管理技士で確認する

多くの業種では、対応する施工管理技術検定の第二次検定に合格していれば、それだけで営業所技術者の技術面の条件を満たせます。

それとは別に、一定の施工管理検定に合格したあと、許可を取りたい業種で3年または5年の実務経験を積むルートもあります。

ただし、施工管理技士だけですべての業種をカバーできるわけではありません。 機械器具設置・さく井・消防施設・清掃施設などは、施工管理技士とは別の資格や実務経験のルートも確認してください。たとえばさく井工事業には「さく井」の技能士、消防施設工事業には消防設備士があります。

次は、施工管理技術検定の第二次検定で確認しやすい組み合わせのうち、18業種を抜粋したものです。全業種を網羅した表ではありません。 旧資格や経過措置、ほかの国家資格も省いています。自分の資格が使えるかは、表だけで決めず、後述の有資格コード一覧で確認してください。

業種まず確認する資格(施工管理技士・第二次検定の合格)
土木工事業建設機械施工管理/土木施工管理の1級・2級。2級土木は種別が土木
建築工事業建築施工管理の1級・2級。2級は種別が建築
大工工事業建築施工管理の1級・2級。2級は種別が躯体または仕上げ
左官工事業建築施工管理の1級・2級。2級は種別が仕上げ
とび・土工・コンクリート工事業建設機械施工管理/土木施工管理/建築施工管理の1級・2級。2級土木は土木または薬液注入、2級建築は躯体
屋根工事業建築施工管理の1級・2級。2級は種別が仕上げ
電気工事業電気工事施工管理の1級・2級
管工事業管工事施工管理の1級・2級
タイル・れんが・ブロック工事業建築施工管理の1級・2級。2級は種別が躯体または仕上げ
鋼構造物工事業土木施工管理/建築施工管理の1級・2級。2級土木は土木、2級建築は躯体
鉄筋工事業建築施工管理の1級・2級。2級は種別が躯体
舗装工事業建設機械施工管理/土木施工管理の1級・2級。2級土木は種別が土木
塗装工事業土木施工管理/建築施工管理の1級・2級。2級土木は鋼構造物塗装、2級建築は仕上げ
防水工事業建築施工管理の1級・2級。2級は種別が仕上げ
内装仕上工事業建築施工管理の1級・2級。2級は種別が仕上げ
電気通信工事業電気通信工事施工管理の1級・2級
造園工事業造園施工管理の1級・2級
解体工事業土木施工管理/建築施工管理の1級・2級。2級土木は土木、2級建築は建築または躯体。平成27年度までの合格者は、解体工事の実務経験1年以上か登録解体工事講習の受講が別に必要

2級の第二次検定には「検定種別」があります。 建築施工管理なら建築・躯体・仕上げの3つ、土木施工管理なら土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3つです。2級建設機械施工管理も、第1種から第6種までに分かれています。 手元の合格証に書かれた種別も確認してください。

どの種別を受けられるか、どの実務経験を使えるかは、受検資格によって変わります。 申し込む前に、試験実施機関の受検案内で確認してください。

技能士で確認する

技能士とは、国家検定である技能検定に合格した人のことです。 職種ごとに1級・2級(職種によっては3級)があり、合格すると「1級型枠施工技能士」のように名乗れます。

1級の技能士は、資格に対応する許可業種であれば、合格後の実務経験年数を問われません。

2級の技能士は、原則として合格後3年以上の実務経験が必要です。ただし、平成16年(2004年)4月1日の時点ですでに合格していた人は、1年以上です。 古い合格証をお持ちの方は、ここを確認してください。

★いずれも、持っている技能士の職種・作業が、取りたい許可業種に対応している場合に限ります。 資格名だけで判断しないでください。

この表も候補を探すためのものです。 同じ職種でも、作業名や合格時期によって扱いが変わる場合があります。 表だけで決めず、有資格コード一覧の注記まで確認してください。

業種対応する主な技能検定の職種・作業
大工工事業建築大工、型枠施工
左官工事業左官
とび・土工・コンクリート工事業とび、型枠施工、コンクリート圧送施工、ウェルポイント施工
石工事業ブロック建築、石材施工
屋根工事業建築板金、かわらぶき
管工事業建築板金、冷凍空気調和機器施工、配管
タイル・れんが・ブロック工事業タイル張り、築炉、ブロック建築
鋼構造物工事業鉄工
鉄筋工事業鉄筋施工(鉄筋施工図作成作業と鉄筋組立て作業の両方
塗装工事業塗装、路面標示施工
ガラス工事業ガラス施工
内装仕上工事業畳製作、内装仕上げ施工、表装
解体工事業とび

業種によって細かい条件が付くものもあります。 上の鉄筋工事業のように2つの作業への合格が要るものや、選択科目の指定がある職種もあります。

最後は、公式の一覧で確かめる

認められる資格は業種ごとに違います。 確認する場所は3つです。

何を確認するかどこを見るか
自分の仕事がどの業種か国土交通省「建設工事の種類、工事内容及び許可業種の分類」
その業種にどの資格が使えるか許可行政庁が出している有資格コード一覧
条文そのもの建設業法施行規則の別表

順番は上からです。 最初に業種を確認しておくと、そのあとの資格と年数を同じ基準で調べられます。

資格だけで技術面の条件を満たせると確認できた人は、ここで資格探しは終わりです。 許可行政庁へ、資格の証明書と、ほかに必要な添付資料を確認してください。

資格に加えて実務経験が要る人は、その年数と証明資料も確認してください。

どちらの場合も、新しく資格を取る予定がなければ、次の「よくある質問」まで飛んでください。

使える資格がなかった人だけ、ここから先へ

ここからは、これから資格を取ろうとする人の話です。 10年分の証明を集めるのと、どちらが早いかを比べるための材料になります。

その試験を受けるにも、条件があります

第一次検定のほうは、年齢だけです。

  • 2級:その年度末の時点で17歳以上
  • 1級:同じく19歳以上

学歴も実務経験も要りません。

条件が付くのは第二次検定です。 令和6年度から受検資格が変わりました。

次は、多くの検定種目に共通する主なルートです。このほかに、建築士・技術士・電気工事士などを起点とする検定種目別のルートがあります。

令和6年度からの主な受検資格
2級2級の第一次検定に合格した後、実務経験3年以上(建設機械施工管理は2年以上)。1級の第一次検定に合格した後なら1年以上
1級1級の第一次検定に合格した後、実務経験5年以上。特定実務経験を1年以上含む場合は3年以上、監理技術者補佐としての経験なら1年以上。2級の第二次検定に合格した人にも、1級の第一次検定の合格などを条件とするルートがあります

ここにない受検資格もあります。 受けたい検定の試験実施機関が出している、最新の受検案内で確認してください。

令和10年度までは、改正前の受検資格も選べます

先ほどの表に載せた主なルートでは、第一次検定に合格した後の経験を数えます。 そのため、このルートを使う場合は、これまで20年の経験があっても、第一次検定に合格してから必要な年数を積むことになります。

建築士や技術士などを起点とする別ルートは、数え方が違います。

一方、原則として令和10年度までは、改正前の受検資格でも第二次検定を受けられます。 改正前は学歴に応じた実務経験で見ていました。こちらにも検定種目や保有資格による別ルートがあります。 次は学歴から確認する主なルートです。

学歴改正前の2級・第二次検定にある主な学歴ルート
大学の指定学科卒業後1年以上
大学(指定学科以外)卒業後1年6か月以上
短大・高専の指定学科卒業後2年以上
短大・高専(指定学科以外)卒業後3年以上
高校の指定学科卒業後3年以上
高校(指定学科以外)卒業後4年6か月以上
学歴の条件を使わない場合8年以上

経過措置には続きがあります。 令和6年度から令和10年度までに有効な第二次検定の受検票を受け取った人は、一定の条件のもとで令和11年度以降も同じ第二次検定を受けられます。ただし、旧2級学科試験の合格者などは別の扱いです(合格年度を含む12年以内かつ連続2回という別の期限があります)。該当しそうな人は、試験実施機関へ確認してください。

技能検定のほうの受検資格

技能検定そのものの受検資格は、2級は実務経験2年、1級は実務経験7年が基本です(学歴や下位の級に合格していると短くなります)。3級は年数の下限がありませんが、その検定職種に関する実務経験は必要です。

多くの職種は都道府県の職業能力開発協会が実施しますが、民間の指定試験機関が実施する職種もあります。受けたい職種の実施機関を確認してください。

どちらが早いかは、学歴・検定種目・これまでの仕事の中身で変わります。 現場を長くやってきた人は改正前のほうが近いことが多いですが、決め打ちせず、受検を決める前に試験実施機関の受検案内で確認してください。

よくある質問

Q. 資格を取るのと、10年分の証明を集めるのと、どちらが早いですか?

すでに1級技能士を持ち、その職種・作業が取りたい許可業種に対応していれば、10年分の実務経験を集めるより、資格で確認するほうが早いことがあります。 証明書は手元にあり、前の会社に頼まずに済むからです。

持っていない場合は、前の会社や元請から書類がすぐ出てくるかどうかで変わります。資格を取るまでの期間と、10年分の資料をそろえられる見込みを並べて、自分が進めやすいほうを確認してください。

Q. 資格を取れば、実務経験は要らなくなりますか?

ここは2つの話が混ざりやすいところです。

① 建設業許可で必要になる10年の実務経験は、使わずに済むことがあります。対応する施工管理技士の第二次検定や1級技能士などを持っていれば、資格で営業所技術者の技術の要件を満たせる業種があるからです。

② その資格をこれから取る場合は別の話です。 第一次検定は年齢だけで受けられますが、第二次検定には、第一次検定に合格した後の実務経験など、ルートごとの受検資格があります。 建築士や技術士などを起点とする別ルートもあり、必要な経験は検定種目で違います。試験実施機関の受検案内で確認してください。

資格だけで技術面の条件を満たせる場合は、前の会社へ10年分の証明を頼まずに済みます。 ただし、2級技能士のように、合格後の実務経験も確認される資格があります。

Q. 昔とった2級の資格があります。使えますか?

使える可能性があります。 2級の技能士は原則として合格後3年以上の実務経験が必要ですが、平成16年(2004年)4月1日の時点ですでに合格していた人は1年以上とされています。

古い合格証はしまい込まずに、探してみてください。

まとめ:確認する順番は3つです

1. 自分の仕事が29業種のどれに当たるかを確認する

ここを間違えると、あとの全部が別の業種の話になります。

2. 手元の資格が、その業種に使えるかを有資格コード一覧で確認する

資格名が似ていても、対応する許可業種まで同じとは限りません。

3. 使える資格がなければ、資格を取る道と10年分を証明する道を比べる

資格を取るなら、新旧どちらの受検資格を使えるかを試験実施機関で確認します(第一次検定は年齢だけ。2級17歳、1級19歳)。10年の実務経験を使うなら、必要な証明資料を許可行政庁に確認してください。


10年分の書類を探し始める前に、まず業種を決め、手元の資格を有資格コード一覧で確認する。

使える資格がなければ、資格を取るまでの年数と、10年分を証明するための資料を並べます。前者は試験実施機関、後者は許可行政庁で確認できます。先に順番を決めておけば、使わない書類を探す遠回りを減らせます。

要件に当てはまるかどうかの最終的な判断は、許可行政庁か行政書士に確認してください。

許可の要件そのものは建設業許可、一人親方でも取れる?に、金額の線引きは建設業許可はいくらから必要?に書いています。

許可行政庁や行政書士から集めるよう案内された資料を、工事名・日付・会社名ごとに整理する作業は、トランジットでお手伝いできます。XのDM(@transit_40)かLINEからどうぞ。許可の申請書の作成や官公署への提出はお受けできません(行政書士の領域です)。

なお最初のご相談では、個人情報の入った書類を送らないでください。 まず、取りたい許可業種・整理したい期間・手元にある書類の名前だけを教えてください。

出典

  • e-Gov法令検索:建設業法(昭和24年法律第100号)7条
  • e-Gov法令検索:建設業法施行規則(昭和24年建設省令第14号)別表
  • 国土交通省:建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧(2025年12月18日施行)
  • 国土交通省:令和6年度以降の技術検定制度概要
  • 国土交通省:建設工事の種類、工事内容及び許可業種の分類
  • 一般財団法人建設業振興基金:建築施工管理に関する実務経験と対応する受検種別について
  • 厚生労働省:技能検定の受検に必要な実務経験年数一覧

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