安全書類の「保険証コピー」、今は何を出す?|提出する書類と黒塗りする番号

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(2026年10月時点の情報です。提出する書類や送り方は元請・現場ごとに違い、制度は改正で変わります。実際の判断は、提出先の担当者や、加入している健康保険の窓口に確認してください)

会社にいた頃、安全書類に付ける保険の証明は、事務所が出していました。

独立すると、それを自分で用意する側になります。ところが今は、その「保険証」そのものが新しく作られていません。案内に「保険証のコピー」と書かれていたら、何を出せばよいのでしょうか。

この記事では、安全書類に添える「健康保険の加入を確認する資料」(以下、健康保険の証明)を扱います。年金や労災の証明を求められた場合は、それぞれ別の資料を確認します。国の資料をもとに、提出する書類と、提出用のコピーで隠す番号を整理します。

この記事でわかること

  • 今、何を出すか
  • コピーのどこを隠すか
  • 作業員名簿の書き方と、出す前の確認

この記事で使う言葉

  • マイナ保険証:健康保険証として使う登録をしたマイナンバーカード
  • 資格確認書:マイナ保険証を持っていない人などに、加入している健康保険から交付される書類。形は加入先によって違います
  • 資格情報のお知らせ:マイナ保険証を持っている人に、加入している健康保険から届く紙。保険の名前と番号が書いてあります。これだけでは病院にかかれません
  • マイナポータルの資格情報:スマホやパソコンで見られる、自分の健康保険の加入情報。PDFで保存したり、印刷したりできます
  • CCUS:建設キャリアアップシステム。技能者の資格や働いた記録を登録する仕組みで、登録のときに社会保険の加入も確認されています

先に答えを置きます

  1. 健康保険証は、2024年12月2日に新しく作られなくなりました。 それまでの保険証で確認できたのも、最長で2025年12月1日まで。今は保険証のコピーの代わりに、資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータルの資格情報のどれかを使います
  2. 元請がCCUSの登録情報で加入を確かめる場合、そのための証明の書類は、添付しなくてよいとされています。 まず、元請がCCUSで確かめるかを聞きます
  3. 書類を出す場合は、どれを受け付けるかを提出先に確かめます
  4. 提出用のコピーでは、保険者番号と記号・番号(枝番を含む)を、読めず、元に戻せないように隠します。 原本には塗りません。ほかにどこを残すかは、提出先に確かめます
  5. 健康保険の加入確認のために、マイナンバーカードの裏面のコピーは送りません

1. 何を出す? まず、元請がCCUSで確かめるかを聞く

ひとことで言うと

元請は、現場に入る人が健康保険などに入っているかを確かめることになっています。確かめ方は2つ。CCUSの登録情報で確かめるか、書類を出してもらうかです。

国土交通省の「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」は、元請に、現場に入る人が適切な保険に加入しているかを確認するよう求めています。確認できない場合は、特段の理由がない限り、入場を認めない扱いとしています。特段の理由には、加入手続き中で、今後確実に加入する見込みがある場合などが例として挙げられています。

疑われているから出す書類ではありません。確かめる決まりがあるから、求められる書類です。作業員名簿に書いたのが「入っている保険の名前」なら、健康保険の証明は「それが今の加入情報と合っていること」を示すものです。安全書類の全体は、一人親方の安全書類の記事にまとめています。

「保険証のコピー」と言われたときの確認の順番を示した図。まず、元請がCCUSの登録情報で加入を確かめるかを聞く。確かめる場合は、そのための証明の書類の添付は不要とされている。書類を出す場合は、資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータルの資格情報のうち、提出先が受け付けるものを確かめる。提出用のコピーは番号を黒塗りし、原本には塗らない

確かめ方① CCUSの登録情報で確かめる

ガイドラインは、CCUSの登録情報を使って確かめることを原則にしています。CCUSは、登録のときに社会保険の加入を確かめているためです。元請がCCUSの登録情報で加入状況を確認する場合、その確認のための証明書類の添付は不要とされています。

ただし、CCUSに登録しているだけで、どの現場でも書類がいらなくなるわけではありません。元請がCCUSで確かめるかどうかを、先に聞きます。

確かめ方② 書類を出す

CCUSを使わない場合について、ガイドライン(2025年12月10日から適用の改訂版)は、次のような書類のコピーで確かめるとしています。

  • 資格確認書のコピー
  • 資格情報のお知らせのコピー
  • マイナポータルに表示される資格情報の印刷物

どれも、確認に必要な事項以外を黒塗りしたものです。電子データでの確認も含むとされているので、画像やPDFで出す場面もあります。送り方は提出先の指定に合わせます。

改訂の前は、ここに「健康保険証のコピー」と書かれていました。国土交通省は2024年11月の事務連絡で、保険証が新しく作られなくなるのに合わせて、確認に使う書類をこのように整理しています。マイナポータルの資格情報は、事務連絡では「PDFファイルの電子データや印刷物」と書かれています。

例:案内に「保険証のコピー」と書かれていたら

前からの案内のまま、「保険証のコピー」と書かれていることがあります。そのときは、こう確かめます。

「保険証のコピー」とありますが、資格確認書か、
資格情報のお知らせのコピーでよいでしょうか。

あわせて、加入先が変わっていないか、有効期限がある書類は期限内かも確かめます。独立して健康保険が変わった人は、前の加入先の書類を出さないよう気をつけます。

自分の手元にあるのはどれ?

  • マイナ保険証を持っている人:加入先から「資格情報のお知らせ」が交付されます(時期や形は加入先によります)。マイナポータルでも資格情報を見られます
  • マイナ保険証を持っていない人:厚生労働省によると、当分の間、申請しなくても「資格確認書」が交付されます。マイナンバーカードを持っていても、健康保険証として使う登録をしていない人を含みます
  • マイナ保険証があっても、受診に配慮が必要な人などは、申請して資格確認書を受け取ることがあります
  • 見当たらないときは、加入している健康保険の窓口(市区町村の国民健康保険の窓口や、国民健康保険組合など)に問い合わせます

2. どこを隠す? 提出用のコピーの見本

ひとことで言うと

提出するコピーや画像では、健康保険の番号(保険者番号と記号・番号)を、読めず、元に戻せないように隠します。 隠すのはコピーだけで、原本には塗りません。

このように、見せない部分を読めないように塗りつぶすことを、黒塗り(マスキング)といいます。

厚生労働省は、2020年10月1日から、本人確認などのために、健康保険の保険者番号と記号・番号を求めることを禁止しています(告知要求制限)。安全書類の加入確認でも、健康保険の番号そのものは求めない決まりです。番号が載っている書類は、保険証に限らず、すべてが対象です。

「保険者」は、市区町村や国民健康保険組合など、健康保険を運営するところです。保険者名は加入先の名前、保険者番号はその番号です。名前は残して、番号は隠します。

隠すのは、次の3つです。

  • 保険者番号
  • 記号・番号(枝番を含む)
  • 読み取ると、これらの番号が分かるQRコード

原本には直接塗らず、手元に保管します。 塗るのは、提出するために作ったコピーや画像です。

厚生労働省は、写しを受け取る側にも、塗られていない写しを受け取ったら、受け取った側で塗るよう求めています。ただ、これは出す側が塗らなくてよいという意味ではありません。送る前に番号を隠し、番号が載ったままのコピーを渡さないようにします。

提出用のコピーで黒塗りする場所の見本。架空の資格情報のお知らせで、保険者番号と記号・番号(枝番を含む)を黒く隠す。読み取ると保険の番号が分かるQRコードがある場合は、そこも隠す。氏名と保険者名は残す例。ほかの項目を残すかは提出先に確認する。隠すのは提出用のコピーだけで、原本には塗らない。記載内容はすべて架空

残す項目は、提出先に確かめる

ガイドラインは「確認に必要な事項以外を黒塗り」としていますが、何を残すかの一覧はありません。名前と、どの保険に入っているか(保険者名)が読めないと、確認になりません。 住所など、ほかの項目を隠してよいかは、提出先に聞きます。

塗り方の注意

半透明のペンや、あとで消せる図形を重ねただけでは、番号が読めたり、元に戻せたりすることがあります。画面で黒く見えるだけでなく、隠した番号を元に戻せない形にすることが必要です。

データの加工に迷う場合は、提出用に印刷したコピーの番号を読めないように隠し、その紙を撮影・スキャンする方法もあります。原本には塗りません。送るファイルを開き直し、番号が透けていないか、必要な文字まで隠れていないかを確かめます。

3. 作業員名簿の健康保険・年金の欄には、加入している保険の名前を書く

ガイドラインの作業員名簿の作成例には、保険の欄の書き方の注があります。

  • 健康保険の欄:加入している保険の名称を書きます(国民健康保険・建設国保など)。保険者番号や記号・番号は書きません
  • 年金の欄:加入している制度の名称を書きます(国民年金など)。基礎年金番号は書きません

適正な請負で働く一人親方本人なら、雇用保険は「適用除外」です。 ただし、「一人親方」という呼び方だけで決まるわけではありません。実際の働き方が雇用に当たる場合は、扱いが違います。

欄書くこと(適正な請負で働く一人親方本人の例)書かないこと
健康保険加入している保険の名称(国民健康保険・建設国保など)保険者番号・記号・番号
年金加入している制度の名称(国民年金など)基礎年金番号
雇用保険適用除外―

名簿のほかの欄は、作業員名簿の書き方の記事にまとめています。どの保険に入るべきかの判断は、この記事では扱いません。加入先の窓口や、社会保険労務士に確かめてください。誰に聞けばよいかは、この書類は誰に頼むかの記事に整理しました。

4. 出す前に確かめる5つ

①で書類の提出が必要と分かったら、②〜⑤を確かめます。

  1. 提出先が受け付けるのはどれか。 CCUSで足りるか。資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータルの資格情報のどれか。今の加入情報が分かるものか
  2. 提出用のコピーで、保険者番号と記号・番号(枝番を含む)を、読めず元に戻せないように隠した。 原本には塗っていない
  3. 読み取ると保険の番号が分かるQRコードがあれば、隠した
  4. 名前と保険者名は読める
  5. 送り方を確かめた。 グリーンサイトに上げるのか、紙で出すのか、メールで送るのか

健康保険の証明を出す前に確かめる5つ。①で書類の提出が必要と分かったら②〜⑤を確認する。①提出先が受け付けるもの(CCUSで足りるか、資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータルの資格情報のどれか、今の加入情報か)。②提出用のコピーで保険者番号と記号・番号(枝番を含む)を、読めず元に戻せないように隠した。原本には塗らない。③読み取ると保険の番号が分かるQRコードがあれば、隠した。④名前と保険者名は読める。⑤送り方を確かめた。下の帯に、健康保険の加入確認のために、マイナンバーカードの裏面のコピーは送らない

健康保険の加入確認のために、マイナンバーカードの裏面のコピーは送らないでください。 裏面には個人番号(マイナンバー)が載っています。個人情報保護委員会は、法律で決められた場合以外に個人番号をコピーすることは、収集・保管の制限に違反するおそれがあるとして、カードの裏面のコピーはできないと説明しています。資格確認書や資格情報のお知らせなど、加入情報を確かめられる資料で足りるか、提出先に確かめます。

労災の特別加入の証明は、健康保険とは別の資料です。特別加入については、一人親方の労災保険の記事にまとめました。

よくある質問

Q. 前の保険証のコピーは、まだ使えますか?

加入の確認に使える期限は過ぎています。国土交通省の事務連絡では、2024年12月1日時点で有効だった保険証のコピーは、その有効期限まで(最長で2025年12月1日まで)、これまでどおり確認に使えるとしていました。今は、資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータルの資格情報のどれかを、提出先に確かめて使います。

Q. 資格確認書が届いていない、なくしてしまいました

加入している健康保険の窓口に問い合わせます。マイナ保険証を持っているなら、マイナポータルの資格情報を印刷する方法もあります。どれを受け付けるかは、提出先に確かめます。

Q. マイナポータルの画面を、スマホで撮った写真でもいいですか?

ガイドラインは、マイナポータルの資格情報の「印刷物」を挙げています。国土交通省の事務連絡は「PDFファイルの電子データや印刷物」としています。画面の写真で受け付けるかどうかは、提出先に確かめます。番号を隠すことは同じです。

Q. 番号を塗らずに送ってしまいました

すぐに提出先に伝えて、番号を隠したものに差し替えてもらいます。厚生労働省は、番号が隠されていない写しを受け取った側にも、隠すよう求めています。

まとめ

  • 保険証は新しく作られていない。 今の健康保険の証明は、資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータルの資格情報
  • まず、元請がCCUSで確かめるかを聞く。 元請がCCUSで確かめる場合、そのための証明の書類の添付は不要とされている
  • 書類を出すなら、どれを受け付けるかを提出先に確かめる。 今の加入情報か、期限内かも見る
  • 提出用のコピーで、保険者番号と記号・番号(枝番も)を、読めず元に戻せないように隠す。 読み取ると番号が分かるQRコードがあれば、それも。原本には塗らない。残す項目は提出先に確かめる
  • 健康保険の加入確認のために、マイナンバーカードの裏面のコピーは送らない

会社にいた頃は、事務所が出していた書類です。自分で用意するときは、まず提出先に必要なものを確かめ、コピーを出すなら番号を隠してから送ります。

トランジットでは、ご本人が確認した内容を、元請さんから渡された様式へ入力して整えるという形で、現場書類のお手伝いをしています。

最初のご相談では、保険の証明は送らないでください。 依頼内容が決まってから、必要な資料と受け渡し方法をご案内します。提出用のコピーは、番号を黒塗りしたものをご用意ください。加入すべき保険の判断や、加入の手続きの代行は行いません。

送る前に何をそろえるかは、書類の代行に送るものの記事にまとめています。

参考にした公式情報

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