2026-07-08

一人親方の確定申告、まず何から?【領収書を箱に入れている人向け】

この記事は約4分で読めます

(2026年7月時点の一般的な情報です。個別の税金の判断は、税務署や税理士さんに確認してください。この記事は「考え方」の説明に絞っています)

「確定申告、正直こわい」

現場で何度も聞いた言葉です。こわい理由ははっきりしていて、正体が分からないから。数字が苦手とか真面目さの問題ではなく、誰も教えてくれなかっただけです。

この記事では、FP2級の知識と現場19年で見てきた実態をもとに、「まず何をすればいいのか」だけに絞って説明します。

この記事で分かること

  • 周りの一人親方が実際どうやって申告しているか
  • 今日からできる、たった3つの準備
  • 「これ経費になる?」を考えるときの物差し
  • 開業前の人が知っておきたい「開業費」の仕組み

冬の夜、レシートの束と電卓を前に手を動かす

1. 実は、みんな意外と「人に頼んで」います

まず安心してほしいのは、全部ひとりでやっている親方は、実はそんなに多くないということです。

僕が現場で見てきた実態はこうです。領収書を箱にまとめて入れておいて、税理士さんに依頼する。あるいは税務署の相談窓口や、商工会・青色申告会などで教わりながら進める。人に頼るのは、恥ずかしいことでも悪いことでもありません(なお、申告書の作成や税務相談を仕事として頼めるのは税理士さんだけです。頼み先はそこを目安に選んでください)。

ただし、誰かに頼むにも「渡せる状態」にしておくのは自分の仕事です。箱の中がぐちゃぐちゃだと、頼む先の手間が増えて、費用も上がります。つまりどの道を選んでも、次の3つだけは自分でやる価値があります

2. 今日からできる準備は、3つだけ

① 仕事用とプライベートの口座(カード)を分ける

仕事の入金・支払いを1本の口座にまとめるだけで、あとから「これは仕事の分」と仕分ける手間が消えます。効果のわりに一番簡単な一手です。

② 領収書は「月ごと」に分ける

箱のままでいいんです。ただ、月ごとの封筒やクリアファイルに分けるだけで、あとの作業(自分でやるにも、人に頼むにも)が段違いに楽になります。

③ 何の支払いか、ひとことメモする

レシートの裏でも、スマホのメモでも。「◯◯現場の駐車場代」「△△さんと打ち合わせ」。書いた本人しか分からないことは、あとから思い出せません。

確定申告がこわい人が今日からできる3つの準備(保存用)

画像は保存して、思い出す用に使ってください。

3. 「これ経費になる?」の物差し

現場でよく話題になっていたのが、接待交際費。「ゴルフは経費になるのか」「飲みに行った分は」——みんな気になるやつです。

考え方の物差しはひとつだけです。

「その支払いが仕事に必要だったと、自分の言葉で説明できるか」

仕事の付き合いのゴルフなら説明できる場合もあるし、ただの遊びなら説明できません。同じゴルフでも、中身で変わる。だから「◯◯は経費になる・ならない」という一覧表は、実はあまり当てになりません。

迷うものは、領収書を残したうえで、税務署の相談窓口や税理士さんに確認するのが正解です。捨ててしまうと選択肢ごと消えるので、迷ったらまず残す。

4. 開業前の人へ——「開業費」という仕組みがあります

開業準備中の人も、領収書は早めに残しておくと安心です。

理由は、開業前の準備にかかったお金も、開業後に「開業費」として扱える場合があるからです。開業費は、開業の準備のために特別に支出したものが対象になる場合があります(細かい扱いはルールがあるので、該当しそうな人は税務署や税理士さんに確認を)。

例えば、こんなものが候補になります。

  • AIサービスの利用料(仕事の道具です)
  • 通信費
  • 仕事で使う機材や書籍代

家で仕事をするなら、家賃や光熱費の一部を仕事の分として計上する「家事按分」という考え方もあります。全部が経費になるわけではなく、「仕事で使っている割合」で分けるのが基本です。面積や使う時間など、割合の根拠を説明できるように残しておくことが大事です。

5. ちゃんと学びたい人への一冊

僕が読んでよかったのは、税理士の大河内薫さんと漫画家の若林杏樹さんの『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』。漫画なので、字の本が苦手でも読み切れます。確定申告の全体像をつかむ入口に、ちょうどいい一冊です。

まとめ

  • 人に頼ってもいい。ただし「口座を分ける・月ごとに分ける・メモを残す」の3つは自分でやると、お金も手間も減る
  • 経費の物差しは「仕事に必要と説明できるか」。迷ったら捨てずに残して、税務署か税理士さんに確認
  • 開業前の支出も「開業費」として扱える場合がある。準備中の人こそ、今日から領収書を残す

お金の話は、これからもXとこのブログで、難しい言葉を使わずに書いていきます。「こういう話が知りたい」があれば、XのDM(@transit_40)で教えてください。

※個別の税額の計算・申告書の作成・経費になるかどうかの判断は、税務署または税理士さんにご相談ください。

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