2026-07-14
型枠工の労務単価はいくら?地域で変わる理由と、自分の単価の調べ方【元現場19年】
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(2026年〔令和8年〕7月時点の情報です。労務単価は毎年改定されます。また、公共工事設計労務単価は「公共工事の積算に使う目安」であって、賃金を保証したり、そのまま見積・請求できる金額ではありません。詳しい数字や職種区分は、国土交通省の公式資料でご確認ください。個別の見積額は、工事内容や取引条件を踏まえて判断してください)
「自分の手間って、いくらが目安なんだろう」——現場で汗をかいていると、ふとそう思うことはないでしょうか。
実は国が、毎年「公共工事設計労務単価」というものを、職種ごと・都道府県ごとに公表しています。詳しい単価表は、国土交通省のサイトで確認できます。今日は、これが地域でどう変わるのか、そして自分の職種・地域の単価をどう調べるのかを、順番に見ていきます。

そもそも「労務単価(設計労務単価)」とは
国土交通省と農林水産省が、公共工事の工事費を積算するために、毎年決めている「1日8時間あたり」の単価です。職種別・都道府県別に公表されます。
大事なのは、これは「積算に使うための目安」だということ。賃金を保証するものでも、そのまま見積や請求に使える金額でもありません。
さらに、この単価には、法定福利費の事業主負担分、現場管理費、一般管理費などの必要経費は含まれていません。公共工事の積算では、これらは現場管理費などとして別に計上されます。つまり、単価表の数字は「会社や事業主が負担する経費まで全部込みの金額」ではありません。
自分がこの額で請求できる、という数字ではなく、公共工事の積算や、適正な労務費を考えるときの参考となる数字だと考えてください。
今、いくらくらい?(2026年3月適用)
2026年(令和8年)3月から適用されている労務単価は、こんな水準です。
- 全国・全職種の加重平均は25,834円で、初めて2万5千円を超えました
- 都道府県・職種別の単価を単純平均した前年度比は4.5%増で、14年連続の引き上げです
- 職種によって伸びは異なり、全国の単純平均による伸び率では、型わく工が5.0%、大工が3.1%、左官が4.1%の引き上げでした
- 例として、東京都の型わく工は33,000円、大工は30,600円(いずれも1日8時間あたり)
数字は毎年改定されるので、最新の額は必ず公式資料で確認してください(調べ方は後半で説明します)。
なぜ、地域で単価が変わるのか
同じ職種でも、単価は都道府県で変わります。
単価に地域差があるのは、地域ごとに、実際に支払われている賃金が異なるためです。その背景には、工事の量や技能者の需給など、さまざまな地域事情があると考えられます。国は、公共工事で支払われた賃金を調査し、都道府県別・職種別に単価を設定しています。

※丸の大きさは地域差を表すイメージで、実際の単価を図示したものではありません。
- 大都市圏では、工事が集中して技能者の需要が高くなることで、単価が高めになる場合があります
- 一方、地方でも、工事量や技能者不足などによって高くなることがあり、一概に「都市が高く、地方が安い」とは決められません
たとえば型わく工の場合、2026年3月適用の単価は、東京都で33,000円、長野県で29,000円(いずれも1日8時間あたり)。同じ型枠の仕事でも、地域によってこれくらいの差が出ることがあります。
職種によっても、単価は変わる
単価は、地域だけでなく職種でも変わります。単価表は職種ごとに分かれていて、国土交通省は、公共工事で広く一般的に働く次の職種を「主要12職種」として示しています。
- 特殊作業員・普通作業員・軽作業員
- とび工・鉄筋工・型わく工・大工・左官
- 運転手(特殊・一般)・交通誘導警備員(A・B)
職種によって、単価も、上がり方も違います。
自分の仕事がどの職種にあたるかは、作業の内容で考えます。型枠の仕事なら「型わく工」です。ここで一つ気をつけたいのは、単価表の職種名が、現場での呼び方と少し違うことがある点です(「型枠」→「型わく工」など)。いくつもの作業をしている場合は、国土交通省が公開している「調査対象職種の定義・作業内容」と、自分が実際に行っている作業を照らして確認してください。
自分の職種・地域の単価は、次の方法で実際の数字を確かめるのが確実です。
自分の職種・地域の単価を調べる方法
この記事の公開時点では「2026年3月適用」が最新の単価です。あとから読む場合は、そのときのいちばん新しい適用年月の資料を選んでください。表では、職種名が横に並び、都道府県が縦に並んでいます。自分の県の行をたどって、自分の職種(型わく工など)の列を見れば、その地域の目安が分かります。
単価を見積に活かすときの注意(現場の目線)
最後に、現場を知っている立場から一言。
労務単価は、あくまで積算の目安です。実際の手間は、作業の内容や現場の条件、自分の施工能力によっても変わります。だから「単価表の額がそのまま請求できる」わけではありません。
そして一番大事なのは——単価が上がっても、契約や見積に反映されなければ、現場で働く人が実際に受け取る金額には届かないということ。だからこそ、見積で労務費を分けて示すことが力になります(このあたりは、改正建設業法で見積書がどう変わったかの記事にまとめています)。
まとめ
- 公共工事設計労務単価は、国が毎年、職種別・都道府県別に決める「1日8時間あたり」の目安(賃金の保証や、そのまま請求できる額ではない。法定福利費の事業主負担分などの経費も含まれない)
- 2026年3月適用は、全国・全職種の加重平均で25,834円。単純平均による前年度比は4.5%増で、14年連続の上昇
- 地域や職種で単価が変わるのは、賃金の実態や工事量、需給が違うため
- 自分の職種・地域の単価は、国交省の公式資料で確認するのが確実
- 単価は目安。手取りに反映させるには、見積で労務費を分けて示すことが大切
よくある質問
Q. 単価表の金額は、そのまま元請に請求できますか? いいえ。設計労務単価は公共工事の積算に使う目安で、賃金の保証や、そのまま請求できる金額ではありません。しかも、法定福利費の事業主負担分などの経費は単価に含まれていないため、単価表の額だけで請け負うと、必要な経費が足りなくなることもあります。実際の金額は、作業内容や現場条件、必要な経費を踏まえて決めます。
Q. 民間工事でも、この単価は関係ありますか? 設計労務単価そのものは公共工事の積算用ですが、改正建設業法の「労務費に関する基準」の計算の基礎となる水準にも位置づけられています。ただし、そのまま民間工事の請求額になるわけではありません。適正な労務費を考えるときの参考として見てください。
Q. 自分の職種が単価表に見当たりません。 職種名は「型わく工」など、現場での呼び方と少し違うことがあります。国土交通省が公開している職種の定義・作業内容と、自分が実際に行っている作業を照らして確認してください。
トランジットは、親方さんが決めた金額・工事内容をもとに、見積書への入力・整形をお手伝いできます。金額の判断や、単価がいくらが妥当かといった相談は行いません。
参考にした資料:
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